母性保護のための「女性労働基準規則」を改正、平成24年10月施行
〜生殖機能などに有害な物質が発散する場所での女性の就業を禁止〜
平成24年4月10日、母性保護のために生殖機能などに有害な化学物質が発散する場所での女性労働者の就業を禁止する「女性労働基準規則(女性則)の一部を改正する省令」が公布されました。改正女性則は、平成24年10月1日から施行されます。
改正女性則では、妊娠や出産・授乳機能に影響のある25の化学物質(従来の規制対象は9物質)を規制対象とし、これらを扱う作業場のうち、以下の業務については妊娠の有無や年齢などにかかわらず全ての女性労働者の就業が禁止されます。
【女性労働者の就業を禁止する業務】
・ 労働安全衛生法令に基づく作業環境測定を行い、「第3管理区分」(規制対象となる化学物質の空気中の平均濃度が
規制値を超える状態)となった屋内作業場での業務
・ タンク内、船倉内での業務など、規制対象となる化学物質の蒸気や粉じんの発散が著しく、呼吸用保護具の着用が
義務づけられている業務
【女性労働基準規則の対象物質(25物質)】
●特定化学物質障害予防規則の適用を受けているもの
1 塩素化ビフェニル(PCB)
2 アクリルアミド
3 エチレンイミン
4 エチレンオキシド
5 カドミウム化合物
6 クロム酸塩
7 五酸化バナジウム
8 水銀およびその無機化合物(硫化水銀を除く)
9 塩化ニッケル(II)(粉状のものに限る)
10 砒素化合物(アルシンと砒化ガリウムを除く)
11 ベータ−プロピオラクトン
12 ペンタクロルフェノール(PCP)およびそのナトリウム塩
13 マンガン
(注)カドミウム、クロム、バナジウム、ニッケル、砒素の金属単体、マンガン化合物は対象となりません。
●鉛中毒予防規則の適用を受けているもの
14 鉛およびその化合物
●有機溶剤中毒予防規則の適用を受けているもの
15 エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)
16 エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)
17 エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)
18 キシレン
19 N, N−ジメチルホルムアミド
20 スチレン
21 テトラクロルエチレン(パークロルエチレン)
22 トリクロルエチレン
23 トルエン
24 二硫化炭素
25 メタノール